Oidaがつくりたいもの
Oidaは漢字で「種田」と書きます。
これは、僕の祖父母の苗字です。
自分たちの小さな活動が種となり、誰かの中に残り、いつかまた別の場所で芽を出すかもしれない。
そんな思いを込めて、この名前を使わせてもらっています。
僕が料理の世界に入ったきっかけは、「わからない」から来る好奇心でした。
なぜソースにとろみがつくのか。なぜ冷やすと固まるのか。これは、どうやって作っているんだろう。
その感覚は今も変わっていません。
Oidaでは、既にある答えをそのまま使うのではなく、まず素材を観察します。
小さな疑問に向き合い、調べ、試し、失敗しながら、自分たちなりの理解を積み上げていきます。
レストランは自分たちだけでつくるものではないとも考えています。
食材を育てる人、ものをつくる人、選び届ける人。土地に根付いた技術や文化。
それぞれの思いから生まれた仕事と出会い、Oida自身の問いや考えを重ね、別の素材や器、飲み物とつないでいく。
そこから、新しい料理や体験が生まれる。
だからOidaでは「何料理か」を決めていません。
ジャンルから答えを探すのではなく、その素材にはどんな個性があるのか。どうすればもっと美味しく、面白くなるのか。
その時々の問いから、料理の形を探しています。
ただ、自分たちが面白いだけではなく、食べる人にも美味しいと感じ、楽しんでもらいたい。
大切な人と良い時間を過ごしたい時に、思い出してもらえる店でありたいと思っています。
Oidaで過ごした時間がきっかけとなって、知らなかった素材や人、土地、文化に触れ、世界が少し広がる。
そんな場所をつくれたらと思っています。

発酵する思い
僕がパンをつくり始めたきっかけも、料理と同じく「わからない」から始まる好奇心でした。
ロンドンで初めて高加水のサワドーブレッドに出会ったとき、ほとんど液体のような生地が、なぜあの軽さや香りを持ったパンになるのか。そもそも発酵とは何なのか。
それを知りたくて、本を読み、生地を観察し、何度も試すところからパンづくりが始まりました。
生地の状態を見て、小さな変化に疑問を持ち、試しながら自分なりの理解を積み上げていく。
この経験は、今のOidaの考え方の土台になっています。
レストランではサワドーを使い、安八町に湧く地下水をたっぷり含ませ、国産小麦を使用して作っています。
「ロンドンで出会ったあのサワドーを、日本の素材でつくるとどうなるのか。」
そんな問いから始まり、今も少しずつ変化を続けています。
パンもまた、Oidaの思いが詰まった仕事のひとつ。新しい問いや出会いを通して、世界を広げてくれる存在です。